ほとんどのクラスが本物の植物をデザインするという、立体の表現が中心のマミフラワーデザインスクールだが、専攻科には「花のデッサン」というユニークなクラスがある。講師は20年もの間、マミフラワーの専攻科で教えているという滝沢具幸先生。教室は全国から集まった専攻科の生徒達の真剣なまなざしで満ちていた。
「花のかたちの『骨』を描くこと」「手を動かすことがとにかく大切なので、普段からものを気軽に描いてみることを習慣にするといい」と滝沢先生からのアドバイス。デッサンする花は今が旬のひまわりと、トルコキキョウ。花のかたちをよく観察して、えんぴつで画用紙に描いていく。なかなか手がすすまない人、すらすら描いていく人とペースはそれぞれだけど、滝沢先生は教室をまわって一人一人に合わせて丁寧にアドバイス。「実物より少し大きめに描くといい」などと先生からアドバイスをもらうと、デッサンがぐっと魅力的に。デッサンに正解はないからこそ、滝沢先生は一人一人の絵のいいところを伸ばすようにアドバイスをする。
専攻科の生徒は、「花をデッサンするのは初めてで、まるで学生の時の美術の時間みたいで新鮮だった。花のデザイン画を描く時に役立ちそう。」(岸本美智子さん)、「いつもは本物の植物を相手にデザインしているけど、今日このクラスでじっくりと花を観察したことで、今までとは違う視点でデザインを考えられるようになった。」(石井智美さん)と、それぞれ新しい発見をしている様子。
「造形を自分の感性と結びつけることが大切。野帖(フィールドノート)をいつも持ち歩いて、気になったものをすぐにスケッチしたり、アイデアを発見したら書き溜めておくといいですよ。書き溜めたノートは自分だけの宝物になるでしょう」とチャーミングな笑顔で話す滝沢先生。花のデッサンのクラスが本当に楽しそうだったのは、魅力的な先生の人柄にも秘密があるようだ。
写真・文:大西佑季
2007年東京国立科学博物館「花」展から現在まで、マミフラワーの様々な活動を写真と文章でレポートしている。ファッションモデルやラジオ・パーソナリティとして活動するほか、東京芸術大学の修士課程において建築や造園の研究を行うなど、自然にまつわる活動を行っている。